ヤマネコ-ノ-ツガイ【アッシュ】BANANAFISH
第14章 消えない傷
《アスランside》
「それに、やっとユウコに会わせてくれたし」
「…あ、うん」
「俺、会わせてくれないと思ってたよ。なんかユウコの話をするといつもはぐらかされてたから」
「そ、そうだっけ?」
「そうだよ!どんな子?とかいつ会わせてくれるの?って聞いても、アッシュは「あーうん」ばっかり!もっと早く会わせてくれたら良かったのに」
「だって…」
「なにか気掛かりだったの?俺たちの仲なのに」
「驚くでしょ?ペットが…その、」
「人間の女の子だったら?」
「っ…」
「別に驚かないよ…それに俺、気付いてたし」
「えっ!?」
「アッシュのペットが人間ってことよりも先に、ユウコが人間って気付いたっていうか。ユウコ=人間=アッシュのペットでしょ?」
「…どうして気付いたの?」
「最初の15日に2人で接客した時、Mr.ディックがボソッと言ったんだよ。聞こえてなかった?」
「僕…あの日の記憶がないんだ」
「…俺が精子を口から出したらあの人、「ユウコなら美味しそうに飲み込むのに」って…………ッ」
…ユウコがMr.ディックのを?
どうしてユウコがMr.ディックと会うんだ?
「…犬猫に精子飲ませる趣味がパパにあるとは思えない。そう考えたら必然的に、あーユウコって人間なんだって思ったんだよ」
「……」
「アッシュはなんでユウコを飼い始めたの?やっぱりそういう相性が良いから手放せないとか?」
「…そういう相性ってなに?」
「セックスの相性だよ。前に気持ち良くないって言ってたし、アッシュは挿れる側ってことでしょ?」
「ぼ、僕とユウコはセックスなんかしないよ!」
「……え、違うの?じゃあなんで…?それ以外に人間飼う理由なんてある…?」
違うんだよクリス、そもそもユウコはペットじゃない。でも、クリスの言いたいことはなんとなくわかる…いわば僕たちだってディノに飼われてるみたいなものだから。
僕の隣に座るユウコはじっと僕たちの話を大人しく聞いている。自分の名前が出る度に、その肩を少しピクッとさせて…。
ユウコを飼ってるわけじゃない、でもそうなった理由は1つだ。
「僕は、ユウコを守りたいんだ…」