ヤマネコ-ノ-ツガイ【アッシュ】BANANAFISH
第14章 消えない傷
夜になってパパにおやすみの挨拶をしに行った。キスをし終わっていつも通り部屋に戻ろうとしたらパパに引き止められる。
「まだ早いな…どれ…少し話をしよう、ユウコここにおいで」
私はパパの膝の上に座るよう促された。アスランはパパの向かい側のソファに座った。
「2人ともここでの生活が長くなって来たが、どうだ?慣れてきたかね?」
『うん!』
「そうか、お前は接待の場でも可愛くて素直な猫だと高評判だよ。昨日もMr.ノーティスには随分可愛がってもらったようだ…今日は副作用の発作は起きなかったかい?」
「夜中にちょっと辛そうだったけど、前よりはすぐ治まるようになってきたかな?」
『そうだったの?…ごめんね』
「ううん、気にしないでいいよ」
「アッシュも客からの評判は常に最高だ、値段をあれほどまでに上げても枠がすぐに埋まってしまう。飽きられないコツがあるのかい?」
「うーん…最初はよく分からなかったんだけど、ペアで接客する時のクリスを見てるととっても勉強になるんだ。クリスのおかげだよ」
「お前たちは本当に仲良しだな。あの子が同年代にここまで懐くなんて珍しい。…クリスといえば、お前たちがここに住んでいることをまだあの子に話していなかったのだね?今日その話をしたらとても驚いていたよ」
「え!話してなかったっけ?遊びに行くと色んな話で盛り上がるから、僕が話したつもりになってたのかも」
「そんなことだろうと思っていたよ…あと、お前が全然ペットのユウコに会わせてくれないと文句を言っていた」
「あぁ…うん、よく言われるんだ。いつ会わせてくれるの?って」
「では明日部屋に連れて行くといい」
「…でも」
アスランは私の首輪を見た。
「この子はお前の可愛いペットだろう?連れていけばこの子が寂しく留守番する時間も減る。それに、あの時のように粗相をすることもない」
「あれは…!ベッドに繋った状態で発作が起きちゃったんだから、仕方なかったんだよ…もうその話はしないで、お願いだよパパ…」
『…ソソウってなあに?』
「ううんっ!…なんでもないよ!今日は僕もう眠いから戻るよ、おやすみパパ。…ユウコいこう?」
アスランは不安な顔をする私の頬を優しく撫でて、パパの手からひったくるようにリードを握った。