ヤマネコ-ノ-ツガイ【アッシュ】BANANAFISH
第14章 消えない傷
《アスランside》
夜になり、ディノの元へおやすみの挨拶に連れていかれた。ディノの家は別にあるようで、ここにディノがいる時には夜の挨拶をしなくてはいけないらしい。
僕たちはそれぞれキスをされた。そして部屋を出る前にディノはユウコの首輪とそこから僕の手に繋がるリードを眺めて、満足そうな笑みを浮かべた。
部屋に着くと、ユウコは既に瞼が重そうだった。
「ユウコ、大丈夫?ベッドにいこうか」
『…ん、』
あ、もう半分眠ってるのかな…ユウコの手を引いて広いベッドに上がり寝転ぶと、体は埋まるように沈んだ。ユウコはもぞもぞと僕の胸に体を寄せておでこを擦り付けてくる。やっぱりユウコの手は僕のシャツを握っていた。僕だけが知るユウコの仕草。
「ふふ…可愛い」
『…ア、スラン?』
「なあに?」
『…いっ…しょ……いる?』
「うん、一緒にいるよ」
『これ、はなさ…ない…で』
「…うん、離さない」
ユウコからはすぅすぅと寝息が聞こえる。僕は手の中のリードを見つめた。
「こんなものがなくたって…僕たちはずっと一緒にいたじゃないか…ユウコ、きみはペットなんかじゃないんだよ…?」
僕たちには広すぎるベッドの真ん中で、もう隙間なんてないくらいにぴったりと寄り添って…
でも
そんな僕らの間に、きっといとも簡単にディノは壁を作ることができる。その虚しさや悔しさを跳ね除けるように僕はさらにきつくユウコを抱き締めて目を閉じた。