ヤマネコ-ノ-ツガイ【アッシュ】BANANAFISH
第14章 消えない傷
「…ユウコっ!」
アスランの叫ぶ声が聞こえたような気がした。私が目を開けるとアスランは体を起こして私の肩を掴み見下ろしていた。ここは、ベッド…?部屋が薄暗くて今が夜中なのだということが何となくわかった。
『…っ、…ァ…ス』
「ユウコ、大丈夫?からだ辛くなっちゃった?」
『…ぁ…、あつ…い…っ』
「副作用…かな」
『くる、しいよ…あつい…』
「ゆっくり息できる…?」
『…っ…』
言われたようにゆっくりと息を吐こうとしても、上手に出来なくて呼吸が詰まる。自分の熱い息が不規則に漏れる。心配そうに私を見つめるアスランがじわじわと涙によって揺らぐ。
また…
まただ…、
この苦しいのがまた始まっちゃった…
こわい、こわいよ…
『こわ…い…っ、アスラ…ッ』
「大丈夫…、大丈夫だよユウコ…」
アスランが何度も何度も拭ってくれるのに、ボロボロと溢れる涙は自力で止められない。
『…はぁ…はっ』
すると、アスランの顔がゆっくりと私に近付いてきて目元にキスをした。私は咄嗟にアスランの胸を押した。
『だ、めっ……!…は…ぁ』
「…だめ…って、」
『また…っ、アスランにいけないこと…わた、し…』
「……ユウコ?」
胸を押す手に力はほとんど入らない。拒まなくちゃいけないと頭ではわかっているのに、今の私はアスランを抱き寄せたくて仕方なかった。気を抜けば首に回そうとしてしまう腕を制止するように私は必死にアスランのシャツを握った。
「ユウコ…僕には、いいんだよ?」
アスランはそう言いながら私の手に自分の手を重ねた。
『だっ…だめ……こ、わいの…っ』
「大丈夫、ユウコは僕が助けてあげるから…」
アスランは私の手をシャツから外して、そのまま首に回させるように誘導した。