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ヤマネコ-ノ-ツガイ【アッシュ】BANANAFISH

第14章 消えない傷


《アスランside》

ユウコが支度をしている間、僕は先にあのホールのような部屋に案内された。そこには既にディノが椅子に座っていた。そして僕の姿を見るなり、ブラボーとわざとらしく拍手をしてニヤニヤと笑った。

「その姿を見て、誰がお前を薄汚いストリートチルドレンだったと思うだろうね。素晴らしいよ」

「ありがとう、パパ」

「やはりマシューのテクニックは素材が良ければ良い程に光るな…わざとらしく飾りすぎず、これ以上にないくらい元の素材を生かす。他の輩はせっかくの素材をゴテゴテと飾り、いとも簡単に殺してしまうからね…。私が彼を初めてスタイリストとしてここに呼んだ時は、正直なところ商品にどうかと思っていたのだよ」

「…うん」

「だが、彼はそのスタイリストとしての才能を惜しみなく私に魅せつけ、カラダではなく技術に惚れさせた。そして今、私は再度彼の技術に惚れ直したところさ。それほどまでに今のお前は美しい…それにしても、マシューがブラックをチョイスするなんて珍しいな」

「マシューが並べてくれた中から僕が選んだんだ」

「ほう?何故ブラックを」

「…黒は、ユウコの目や髪の色だから。僕にとってとても大切な色なんだ」

「ハハハ、ユウコが聞いたら喜びそうだ。そういえば、マシューがレディを手掛けるのは初めて見るな。ユウコも素材の良い子だから、とても楽しみだよ……そうだ、その前に」

「…うん?」

「これをお前に見せておこう、開けなさい」

コトンとテーブルに置かれた細長い箱を受け取って、パカッと開ける。そこには宝石のついたものが入っていた。
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