ヤマネコ-ノ-ツガイ【アッシュ】BANANAFISH
第14章 消えない傷
「……ユウコ、真っ赤!」
マシューはデジャヴ!と笑った。
「アッシュ、ユウコがドレスを脱ぐ前に伝えようって思ってたんだろうな…彼はいい男だ。ユウコの男を見る目は間違っていないね」
『……えっ?』
「好きなんでしょ?アッシュのこと」
『………』
「大丈夫大丈夫、本人に言ったりしないから!…俺実はユウコとアッシュのこと事前に色々とパパ・ディノから聞いて知ってたんだ」
『え?』
「実際に今日会って思ったよ、2人なら大丈夫。離れ離れになんてならないよ、だってそんなの神様が絶対に許さない!」
『…そうだと、いいな』
「信じなきゃ、諦めたらダメだよ!アッシュや、幸せな未来のこと…ね?」
『うん…!』
「じゃあ…俺後ろ向いてるから」
私はドレスを脱いで新しく置かれたワイシャツとズボンを着た。すると、同じタイミングでシャワー室からアスランが出てきた。
「これ、ありがとう」
「ううん、いい男に着てもらえて服も喜んでるよ。さて荷物まとめ終わったし俺は行くかな。パパ・ディノがお偉いと会う時はだいたい俺が担当してるから、また近々会うことになるかも。ちなみに昨日のワンピースは俺のチョイスだよ」
『そうだったんだ!』
「うん。じゃあ、またね」
大荷物を抱えたマシューが部屋を出ていった。
2人だけになった部屋はとても静かだ。見張りの男もいない、久しぶりの私たちだけの空間だった。
「なんだか、久しぶりだね…こういうの」
『うん、私もおもった…』
「マービンのところとは比べ物にならないくらい広いや…落ち着かないよ」
『私たちどうして突然ここにくることになったのかな?』
「…あ、えっと…ユウコ、向こうでのこと覚えてない?」
『私気が付いたらここで寝てて…何かあったの?』
「ううん、それならいいんだ…ねぇユウコ」
『うん?』
「…首輪、触ってもいい?」
『うん』
私がそう答えるとアスランは私の背中に優しく腕を回した。手が移動してするっと首輪と肌の隙間に指を入れ撫でられる。
『く…くすぐったいよ…っ』
「本当は、こんなのじゃなくて…」
『え?』
「…ごめんね、ユウコ」
アスランが何に対して謝っているのか、私にはよくわからなかった。