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ヤマネコ-ノ-ツガイ【アッシュ】BANANAFISH

第14章 消えない傷


私たちの目の前にあった食材の乗るお皿や飲み物、全てが交換された。どうかしたのかな…?

「これでどうだね?」

「…う、うん…ありがとう」

「さあ、いただこう」

フォークを手にサラダを1口食べた。とても美味しい。スープもパンも温かくて優しい味がした。
ふと、視線を感じてアスランを見ると彼は私をじっと見ていた。

『…アスラン?どうしたの?』

「あっ…どう?美味しい?」

『うん!すごく美味しい』

「そ、そっか…」

「おや…アッシュはユウコがあまりに美しいので見惚れてしまったのかな?」

『…っ…え?』

「………」

「っふ…良かったじゃないか、ユウコ。そのドレスはマシューがセレクトしたのかい?」

私が端に立つマシューに目を向けると、目が合った。

「いいえ、多くの候補の中からユウコ自身が選んだものです」

「…ほう?翡翠のような色だ…まるで」

パパがアスランに目を向けた。

「ユウコもおまえと同じことを考えていたということだな、アッシュ」

『え?』

「意識してかそうでないのか…それぞれのアイカラーを選択するとはね。まったく仲の良いことだ」

『ねえ、パパ?…今日ってなにかあるの?』

「ん?」

『こんな素敵なドレス着たり、ごはんも…』

「…ああもしかして、ユウコは何故今パーティをしているのか分かっていなかったのかね?」

『ご、ごめんなさい…』

「ハハ、謝ることではないよ。今日が何の日か、思い出してごらん」

『…今日…、なんの日?』

私は頭の中でぐちゃぐちゃになった記憶を必死に整理する。今日なにかあったっけ?誰かなにか言ってたかな…、そもそも今日何日だろう…?

「ユウコ…?」

アスランの声にハッと顔を上げる。

「思い出せない?」

『…ど、うしよ…わからない…っ』

泣きそうになる私にアスランは椅子から立ち上がって私の傍に駆け寄った。そして震える私の手を握って「大丈夫」と言ってくれた。

「ユウコ今日はね、8月5日なんだよ」

『…8月、5日?………っあ!』

「うん、そう…今日はユウコの、」


『た…たんじょうび』

「今日はユウコの誕生日だろう?…アッシュから誕生日プレゼントがあるそうだよ」

「……っ!」

『プレゼント…?』
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