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ヤマネコ-ノ-ツガイ【アッシュ】BANANAFISH

第14章 消えない傷


《アスランside》

「アッシュ、表情に不安が滲み出ているよ。大丈夫、お前はただ私の言うことに従っていればいいのだから」

ディノは僕の頬をするりと撫でた。

「このあと、ぬいぐるみを忘れたと言って檻の中に入り、ユウコをこやつらから引き離したら共にベッドの裏へ伏せなさい」

「…えっ?」

「質問に答える時間はない。出来るね?」

「…う…、うん」

再び車のドアが開く。そこには10人ほどの男たちが待機していた。

「いいか、お前たち。アッシュをこの中に入れるタイミングはこの男が精を吐き出した瞬間だ。そして2人がベッドに伏せ、合図の後に私が狙う…事が済んだら迅速に処分してくれ。さぁ間もなくのようだね…アッシュ降りなさい」

僕が車から降りると、よく会う側近の男に背中を押されシャッターの前に連れてこられた。

「おい、一度ベッド裏に伏せたら片付くまで絶対に動くんじゃないぞ。当たったら死ぬ」

「…死ぬ?!…何が起きるの?」

「………よし、シャッターを開ける」

ガラガラガラ

心の準備が整う前に側近の男の手によってシャッターが開き始めた。そもそも何が起きるのかもわからないのに準備なんて整うわけがないのだけど…。辺りを見ると僕ら以外の人たちは何故か隠れているようだった。

この中にはユウコがいる。
薬に体を縛られたユウコが。

何が何だか頭は追いつかないけど…

ユウコ、待ってて。今行くから。


「「「…っ!?」」」
『……んっ、ぅ』
「な、なんだお前ら…!?戻ってきたのかっ?!」

「その…僕が…テディベアを忘れちゃって、取りに来たんだ」

側近が鍵を開けている間、チラッとユウコを見るとまだソレを咥えたまま僕を見ていた。僕は無意識に眉間にシワがよる。

「ほら、早く入れ」

僕は中に入り、後ろからユウコの体に腕を回し引き離す。

『…!ん…ッ』
「ユウコ、ごめんっ!」

そのままグッと力を込めて抱きかかえ、言われた通りベッドの裏へ移動した。僕はユウコの上に覆い被さって伏せる。

それを確認したのか、側近の男は檻の扉を力強く当てるように閉めガシャーン!と大きな音を鳴らした。
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