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ヤマネコ-ノ-ツガイ【アッシュ】BANANAFISH

第14章 消えない傷


《アスランside》

ユウコに会えない1日は長かった。昨日は初めて外に出ることなく檻の中で過ごしていたけど、ユウコのことが頭から消える瞬間は1度もなかった。寝ているときでさえ、夢の中にユウコがいたくらいだ。
夢の中のユウコは、僕に笑いかけてくれなかった。何度ごめんねと謝っても、首を振って俯いてしまう。起きた時のあの絶望感ったらない。

そんな今日はユウコの誕生日。
夢のこともあってなんだか落ち込んでて朝食の時、僕がはぁとため息を吐いていたら見張りの男たちに「たったの1日離れたじゃねえか」と笑われた。たったの1日…そうなのかもしれないけど、僕はたったの数時間だって耐えられなかったんだ。


ガラガラ…とシャッターが開く音がする。ディノが来たらしい。今日はクリスの部屋に連れて行くと昨日の夜に言っていた。そしてその後は誕生日パーティをすると。


「やあ、アッシュおはよう。ユウコのいないベッドは広かったろう?」

「おはようパパ。うん、とても広くて…寂しかったよ」

「ああ、だから昨日そのぬいぐるみをやっただろう?」

ディノはベットの上に置かれた少し大きめのテディベアを指さした。

「……うん、ありがとう」

「早くユウコに会いたいだろうが、今日は準備があるからね」

「これからクリスのところに行くんだよね?その間ユウコは?」

「あぁ、ユウコにも色々と準備があるのだよ…、ではそろそろ行こう」


僕たちは倉庫から出ていつものように車に乗り込んだ。倉庫の立ち並ぶ通りを右に行くと道路に出る…それなのに今日はそこを左に曲がった。そっちに行ったらさっきの倉庫の裏側に回るだけで道路に出れないはず。

「…あれ?」

「なんだね?」

「道路に出ないの?」

「…もう気付いたのか?賢いじゃないか、アッシュ。そうだ、今日クリスのところへは行かない」

僕が思った通り、車はさっきまで僕がいた倉庫の真裏に停まった。
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