ヤマネコ-ノ-ツガイ【アッシュ】BANANAFISH
第14章 消えない傷
《アスランside》
僕のその姿を見て、ディノは興奮の笑みを浮かべる。
「まるで子猫の威嚇だな…だが良いぞ…私はこの瞬間を待っていた…さあアッシュ、この私に跪きもう二度と逆らわないと誓え。絶対服従の意を示すのだ。ユウコを助けて欲しいのなら、な」
「…!?……っ」
「今までの生意気な態度も思春期特有のものと思えば可愛げがあるが…好みではない。私はその容姿に似合いのお前でいてほしいのだよ…もし誓えないというのであればあの子はスラムにでも捨て、壊れるまで汚い男共のおもちゃになってもらうとしようか」
「っ!だめ…っ!」
「ならば…アッシュ。お前のすべきことはひとつだ」
僕はディノの目を見つめながらゆっくりと膝をついた。
「誓うよ…もう二度と逆らわない、僕きっといい子になるから!ユウコは…っユウコだけは…!お願いだよ、パパ…」
ディノはそう言った僕の顔を掴み、顔を近付ける。そして満足そうに口角を上げると唇を重ねられた。
「…っふ、そうだそれでいい。良いキスになったではないか…この唇を前に我を見失ったあの子の気持ちがわからないでもない」
「ユウコに、何をしたの…?」
「…手を加えたのは私ではないよ。ショーへの調教の手間が省けたとはいえ、正直ここまでのことをし腐るとは思っていなかった。…飢えたハイエナどもの過ぎた悪戯だ」
「…いた、ずら」
「悪戯で済まないところまできているかもしれんが…まあ詳しくはまた話すとしよう」
「パパ…っ、まって」
「今日のところはもう寝なさい」
「…ユウコは今、どこにいるの?」
「心配しなくていい。明後日には会わせてやろう、あの子の誕生日だろう?誕生日パーティをしなくては…ちなみにお前からのプレゼントはもう用意してやった、お前の望み通りのはずだよ。…おやすみアッシュ、愛しているよ」
そう言ってディノは去っていった。
ユウコは捨てられないようあんなに必死だったのに…僕は一番近くでその姿を見ていたのに…。
「…ごめ…ん、ユウコ」
僕はその日一睡も出来ず、ずっとユウコのことを考えていた。彼女にあんなキスをさせた原因は一体なんだ?熱くて、一緒に溶けてしまいそうだった。
ユウコ、会いたいよ
会って謝りたい
…きみは、僕を許してくれるかな