第2章 影分身?いいえ、6つ子です。
私の脳が今までにないほどフル稼働する。
『(世にも奇妙な世界に迷い込んだのか…!?いや、もしかしてここは怪しい研究施設で、この3人はカラ松のクローンなのかもしれない…ハッ!もしかしてカラ松が私を助けたのも、この怪しい研究に参加させるため…!?もしかして私もこの人達みたいにカラ松にされちゃうの!!?そんなのいやーー!!まだお台場にも、竹下通りにも行ってないし、あのトップアイドル山田君にも、かのスーパーモデル椎名桔平にも会えてないのにーー!!!)』
『(…よし、逃げよう)』
ここまでの時間、約0.01秒。
そう結論づけた私は、今来た道を全速力で駆け抜ける。
玄関が見え、希望に満ち溢れたその時…
ガラガラガラ
「ただいまー。んだよあの面接官!!マジで人を見る目ねーわ!!」
「まーたダメだったの〜?シコ松にーさん」
「うるっせえ!!!!シコ松って呼ぶなぁ!!!」
そう会話しながら玄関からもうまた2人のカラ松が入ってくる。
『ひぎゃああああああああああああああああああああ』
私の脳は限界に達したようだ。
ここで私の意識は途切れた。
ーーーーーーー
誰かの声が聞こえる…
「なんなのこの子?」
「クソ松の友達だってさ…」」
「んだよカラ松ぅ、抜け駆けはずるいぞぉ〜?」
「からまつにーさんやるぅ〜〜!!」
「カラ松兄さんにしては、結構いいチョイスなんじゃない?可愛いじゃん」
『……ん…』
「起きたかみれい…!」
目を覚ますと、カラ松が私を心配そうに覗き込んでいるのが目に入った。
『カラ松…?本物……?』
「ああ、本物だ。俺が6つ子だってこと、言うの忘れてたな。すまない」
『6つ子…?』
そう言いながら周りを見渡すと、先ほど同様、同じ顔がひしめき合っているのが見える。
1,2,3,4,5,6…確かに6つだ。
『そうだったんだね…。ごめん、私怪しい研究施設かなんかだと勘違いして取り乱しちゃって…』
「あれは傑作だったわ〜wオネーサン、死ぬ間際みたいな声出すんだもん」
『あんなん見たら誰だってあーなるよ!!ていうかあなた誰?!カラ松本体ではないわよね…」
「本体って、言い方wオレは松野家長男松野おそ松、夢はビックなカリスマレジェンド!よろしくね、オネーサン❤️」