第1章 都会ってすごい
『わあー!!やっぱり東京って全部が大っきい…!!』
就職するために上京してきた私は、初めて見る大都会、東京に心を奪われ、随分と舞い上がっていた。
それはもう周りも見えないくらいに……。
『あ、そうだそうだ。部屋の場所どこだったっ…あぶっっ!!』
浮かれすぎて人にぶつかったようだ。
『わっ!すみません!!周り見えてなくて…!!』
「…あぁん?」
振り向いたその人は顔中にピアス穴が空いており、むき出しになった腕には虎の刺青がほられていた
『(ひえぇ!!これが俗に言うチンピラ?!会っちゃった!どうしよう!チンピラに会っちゃった!ほんとにいたんだチンピラ!)』
なんて、初めてチンピラを相手にする恐怖とちょっとしたした感動をおぼえながら、どうしたらいいか分からずもう一度謝る。
『本当に申し訳ありません…!!完全なる私の不注意です…』
「んなこたぁわかってんだよ!!どうしてくれんだよ!!」
『(どうしてくれんだよだって…?!え、謝って終わりじゃダメなの?!)』
『えぇっと…どうしましょうかね…?お詫びも兼ねてそこのカフェで何かおごりましょうか…??』
私はどうしていいかわからず、近くのカフェを指差しながらとりあえず、思いついたことを言って見る
「………」
『(お、うまくいったかも…?)』
と思った直後、、、
「なめてんのか、このやろう!!!」
そう言って男は私に向かって拳を振り下ろしてきた
『(!?これは…ヤバイかも…!!)』
そう思いながら、頭の上で手を組み、目をぎゅっとつぶる
「…!!誰だてめえ!!!」
いきなり聞こえてきた男の声。
なんのことだか分からず、目を開けて見ると、
そこには、スパンコールがびっしりついたズボンを履き、革ジャンを着た謎の男が、私に殴りかかってきた男の腕を捻じ上げている姿があった
???「か弱いレディーを虐めるのは感心しないな」
「あ!?んだと!!元はと言えばそいつがオレにぶつかってきて」
???「excuseとはnonsenseな奴だ…」
謎の男は訳の分からないことを言うと掴んでいる手を引いて男に技を決め、分が悪いと思ったのか逃げ出す男を見届けてからこちらを振り向いた。
???「怪我はないか?lady?」
『は、はい…えぇっと…お礼も兼ねてそこのカフェで奢らせてください』