第48章 癒えない心
智「お前…まさかそれ全部、二宮の親父さんに言ったのか?」
海「ああ、言った」
和「それは反対されたでしょ…」
海「もちろん大反対された…めちゃくちゃ怒鳴られて…けど俺も引き下がるつもりはなかったから、認めてくれないなら大野グループも二宮も捨てるって言って出てきた」
海里が大野グループを捨てるって…よっぽど皐月さんの事…
雅「でも海里、一人っ子じゃん…海里が二宮を出たら…」
海「悪いが、今の俺に必要なのは二宮じゃない…皐月なんだ。皐月と産まれてくる子供は俺が守るって決めたんだよ」
変わったな…海里…これも皐月さんのお陰だな…
智「じゃあ海里…今日来たのは…」
海「…過去の過ちを侘びたかった…俺はお前らや…翔に対して償いきれない過ちを犯してしまったから…」
そう言って海里は、その場に正座して
海「雅紀…俺の事憎いんだろ?お前の気の済むまで殴ってくれ…」
雅「・・・」
潤「雅紀兄さん…」
雅紀はスッ…と立ち上がり海里の正面に行って、海里と目線を合わせる為にしゃがんだ
そして…
雅「謝る相手もお前を殴るのも…決めるのは俺じゃない…その言葉翔ちゃんに…」
そう言いかけていたその時、雅紀の横をスッ…と誰かが近づいて来て…
‹パーーーン!›
海「…っ…」
乾いた音が鳴り響き、見ると海里は頬に平手打ちを喰らっていた様だった…
その叩いた本人は
雅「し、翔ちゃん!?」
いつの間にか目が覚めていた翔くんだった