第48章 癒えない心
海「イタリアに行ってヤケになって…酒を飲んで地元の奴に喧嘩をふっかけたんだ…まあ…解ると思うがボロクソやられた上に、1人が刃物を振りかざして…その時皐月が俺の事を庇ってくれたんだ」
和「皐月さんが?」
海「ああ…その時肩を切りつけられて…けど俺はそんな皐月に感謝するどころか、貧乏人が媚びる為にやったんだ…くらいにしか思ってなかった…だから、金を渡しておけば後腐れもないだろうと」
そこは…海里らしいがな…
智「で?何で皐月さんと?」
海「翌日、その金を渡しに病院に行ったら、皐月はいなくなってたんだ。もう大丈夫だからと、自主的に無理矢理退院したらしい…」
潤「無理矢理?何で…」
海「俺も解らなかった…けど、その2日後ある工事現場で皐月を見かけたんだ…コイツはまだ怪我が治りきってないのに、無理して働いてたんだ」
…怪我して2日後…無茶するなー…
雅「何か事情があったの?」
海「両親が残した借金返済の為だよ…それを返すために必死になって働いてた…それを見て、俺は初めて自分が恥ずかしくなって…それから皐月にどんどん惹かれていった。で、皐月に言ったんだ。助けてくれたお礼にその借金、俺に払わせてくれって…けど皐月は断ってきて…だから俺言ったんだ…」
智「何を?」
海「『俺と結婚すればその借金は俺の物でもあるんだ!だから俺が払うのに何の問題もないだろ!』って」
そ…それってプロポーズじゃないかよ…