第36章 commit a fault(4)
翔「もしお前が今後、今の店舗から移転して店を構えたいならその金を使えば良いし、これからの生活費に当てても良い…どう使おうとお前の自由だ」
潤「ちょっと待って!父さんも母さんもこの遺産は、俺達にって事で遺した物だよ!なら…!」
翔「前に話しただろ?俺は既に相続放棄してるんだよ…だからそれはお前の物だよ」
潤「翔兄さん…」
翔「俺の話はこれだけだよ…何かあったら連絡するから…」
そう言って翔兄さんは立ち上がり、リビングを出ていった
…俺の目を見ることなく…
智「…ホント翔くん、潤の母ちゃんみたいだな…」
雅「ホントだね…いつも潤の事を一番に考えてて…」
…そんな翔兄さんに俺は…
無断で大野から籍を外し…自分の事しか考えずに…
和「潤…翔兄さんの所に行って」
潤「…和…」
和「智兄さんが言ったように、翔兄さんにとって潤は自分の子供と同じなんだ…そんな潤が突然除籍して、自分の元から居なくなってしまう事が翔兄さんは寂しいんだよ…」
潤「・・・」
俺は自分のワガママで翔兄さんに寂しい想いをさせてしまったんだ…
俺はすぐさまリビングを出て、翔兄さんの部屋に向かった
<コンコン>
潤「翔兄さん…入っても良い?」
「・・・」
返事がなかったけど、部屋に居る気配は感じたので、俺はそのまま部屋に入ると、翔兄さんはベッドに座りうつ向いたままだった
翔兄さん…もしかして泣いてる…?