第36章 commit a fault(4)
翔「…何時かは来るのにな…」
潤「…え?」
翔「お前が俺の元から離れていくの…お前だってもういい大人なんだから、独立したっておかしくないし…解って…たのにな…」
潤「翔兄さん…」
そう言えば前に翔兄さん言ってたな…
俺を大野家に託したら、何処か遠くに行こうと思ってたと…
けど…一人になるのが怖かった…って…
潤「翔兄さん…ごめん…けど、例え松本に戻っても俺は翔兄さんの弟だから…血の繋がりなんて関係ない…」
翔「潤…」
うつ向いたままだった翔兄さんの前にしゃがんで顔を見ると、翔兄さんの瞳は涙で滲んでいた
俺はそのまま翔兄さんの身体をそっと抱き締めて
潤「…さっき智兄さんに言われた…翔兄さんはまるで俺の母さんみたいだな…って…」
翔「…そんな事…」
潤「うん、だってお母さんってさ、毎日美味しい料理を作って、掃除洗濯をこなしてさ…やっぱり凄い人じゃない。けど、翔兄さんは全く出来ないもんね。全部俺がやってたし」
俺に指摘されたことが恥ずかしいのか、翔兄さんは俺から離れて
翔「うっ…うるさいなっ!」
そう言って顔を真っ赤にしていた
潤「…でも…やっぱり母さんと同じで暖かいよ…翔兄さんは…」
翔「潤…」
そう…例え家事が出来なくても…翔兄さんは俺のもう一人の母さんなんだ…
潤「ありがとう…翔兄さん…俺、大野じゃなくなっても兄さん達の弟には変わりないから…」
すると今度は翔兄さんが俺に抱き付いてきて
翔「当たり前だ…大野だろうが松本だろうがお前は俺達の弟だ…和也と幸せにな…」
潤「…うん…」
本当に…感謝してもしきれないよ…翔兄さん…