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リヴァイがおさななじみな話

第2章 2



リヴァイ宅は全部で4つの部屋に区切られている。
寝室、風呂、客室、そしてキッチン付きリビング。
トイレと風呂が別れているのは潔癖の彼のこだわりらしい。
寝室にはベッドと、床に、小さな円形をしたデスクがあるが、床に座るという行為じだいが受け入れがたいリヴァイは、しっかりと、カーペットなんかも用意済みだ。
背筋が凍るほどの念の入れようだ。
大学生が独り暮らしというのはよく聞く話だが、リヴァイの部屋は少し上等すぎる気もする。

ノンはドアを開けると履いていたブーツを脱ぎ散らかし、一目散に寝室へと走った。
その行動にリヴァイの眉がかすかに反応した。
「………………アイツ…」
リヴァイはノンが散らかしたモノを片付けると、自分の靴は丁寧に脱ぎ、ノンのとなりに置いた。
そして、寝室へ早歩きで足を進めた。
ガチャッと寝室の扉が開く。
こんな頭に血が上っている時でも丁寧に扉を開ける彼は徹底している。急いで開けてしまうとホコリが舞うからだ。
「…てめえ…いい加減にしろよ…」
「ほぇ?」
いつも眉間にシワを寄せ、不機嫌そうに見えるリヴァイだが、今は背後に死神が見えた。
リヴァイは、寝室に座り今にも課題のプリントを出そうとしていたノンに舌打ちをした。
「なんでリヴァイ怒ってるの?」
彼女には彼の眉間のシワが見えないのだろうか。
天然というのは時に、最強なんじゃないかと思う。
リヴァイは片方の手はドアノブを掴み、もう片方は首を触り、もう何度目か分からない溜め息を盛大にはあっと吐くと、目線を戻し、言葉を発した。
「…いいか?俺の部屋に入りたいんだったらまず靴下を脱げ。靴はちゃんと並べろ。扉はゆっくり閉めろ」
「え~!靴下もぉ?」
ノンは唇を尖らせ、子供の様にすねた。
「じゃあ帰れ」
「…はいはいはい!やればいいんでしょ!はいはい!」
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