第18章 安全第一。
つけているテレビはずっと今日の台風についての報道。
そんなテレビを聞き流しながら早朝にマネージャーからきた連絡内容をのんびりと眺めているとリビングに訪問者を知らせるチャイムがなる。
尊は「はーい」と意味もない返事をしながら玄関へと向かう。
「って、え、浅にぃ!?どうしたんですか!?」
ドアを開ければ「よっ」と片手を上げてニコニコと笑う大先輩。
浅沼は驚く尊を余所に「お邪魔しまーす」と何時ものように家に上がる。
尊も少し驚いたがあまり気にすることなく浅沼を招き入れた。
「…で、どうしたんです?今日は結構威力がすごい台風が来るらしいのであまり外出は控える様にってマネージャーと事務所から言われてませんでした?」
浅沼にお茶を出しながら少し厳しめの口調で話す。
それも心配が故。
浅沼「うーん…そうなんだけど…」
少し困ったように笑う浅沼は自分の携帯を開くとその画面を尊に見せた。
「なんですか………」
そしてその画面をみた尊は言葉を詰まらせる。
そこには三つの通知。
一つは事務所の社長からで浅沼の安否と今日の仕事の事、そして尊の安全確認…というよりかは安全確保(?)の内容。簡単に言えば「尊の家に向かってくれ」との出動命令←