第16章 自覚
鈴村「おぉ…なんやえらい浅沼くん不機嫌やなぁ(笑)」
現場に着いての鈴村の第一声がこれだ。
AD-LIVEのちょっとした打合せでの集まり。
最近、浅沼は仕事が立て込んで中々尊に会えてない。云わば尊不足と言ったところか。
スタッフ「?、そうですか?普通に挨拶は返してくれますけど…」
鈴村「まぁ、浅沼くんも大人やから(笑)あんま外にはださんやろうな~」
だがAD-LIVE等で結構長く付き合ってきた鈴村は浅沼の少しの変化を感じとった。
鈴村「…浅沼くん、おつかれさん」
声を掛ければ「あ、あぁ、お疲れ様です…」と、鈴村と分かった途端に脱力する浅沼。
鈴村「…やっぱハチ関連か?(笑)」
そう聞けば机に突っ伏して小さく頷く。かなりメンタルにキテるみたいだ←
浅沼「…尊から連絡あったんです…最近…」
鈴村「おぉ、そらよかったなぁ…なんや、悪い報告とか?」
すると無言で携帯を此方に差し出す。そこには尊とのやり取りがある。
鈴村「なになに…『家のエアコンが壊れてしまったので数日間、江口さんの家にお世話になります』…あぁ、なるほど(笑)」
「はぁあ"ぁ…」と声優らしからぬ声のため息を吐く浅沼。
浅沼「…僕の家の合鍵渡しとけば良かった…いや、尊の交遊関係に口出しする訳じゃないし…しかも聞いてみれば最初はネットカフェに泊まろうとしてたんですよ??それに比べたら江口くんの家はありがたいし…」