第13章 居候。
??「あ、尊ちゃん」
ちょうどビルの玄関を出たところで声をかけられる。
低く、聞き心地のいいバリトンボイス。
「あ、安元さん、お疲れ様です」
ペコリと頭を下げると自然な動作でそのまま頭を撫でられる。
安元「そういえば、今江口くんの家にいるんでしょ?」
「あれ?言いましたっけ??」
安元「先週の声優と夜あそびで言ってたよ?エアコン壊れて今俺の家にいますよーって(笑)あと、一人でネットカフェに泊まろうとしてたことも(笑)」
「ん?…あぁ…それで…」
そこで尊は最近の某トークアプリの異常な通知量を思い出した。特に浅沼からの。
「いやぁ、迷惑をかけるのはいけないかなぁ…と…」
安元「だとしても、一人で解決しようとせずにちゃんと周りも頼った方がいいよ?尊の周りはお節介な人が多いから」
「勿論、俺もね」とケラケラ笑いながら言う安元につられて尊も笑った。