第12章 夏の不幸。
「あっつーい…」
まだ七月のはじめの方…外ではセミが忙しく鳴いている。そのセミの鳴き声と暑さが相まって暑さが二倍に感じられる。
そして…
「なんでこのタイミングでエアコン壊れたのっ!!」
この悪夢である←
しかもさっき業者に電話したところどうやら仕事が殺到して二週間は来れないと言われたのだ。
どんだけ皆エアコン壊れてんだよ(人のこと言えない)←
「うーん…浅にぃはいま脚本の打ち合わせでいそがしそうやし…う"ーん…」
数分…いや、数十分くらい悩んだ尊は外に出掛けることにした。
ただの気分転換に。
ノースリーブにダメージの七分丈デニム、そして白のキャップというラフな格好に着替えて自宅から出る。
しかし__
ミーンミンミンミン……
わかっていた。七月の上旬とは言え夏は夏だ。
暑いのに加えセミまで鳴くと精神的に辛い。
「暑い…冗談抜きで暑い…」
ダラダラと歩いて日陰にあるベンチに座る。
??「あれ?ハチちゃんだぁ~!」
??「あ、本当ですね」
ボーッと座ってると突然話しかけられる。
首だけを動かして声のした方を見ればそこには先輩二人…
「あれ…代永さんと…えぐぅ…」
江口「?みーちゃんバテてる?」
代永「ほんとだ?大丈夫??」
「…なんとか…はい…」