第11章 自由への意思
ミカエルside
馬の鳴き声がする...。
目がさめると、私は荷物車の上にいた。
まだ頭がぼーっとしたまま辺りを見渡すと、調査兵団が壁内に帰ってきたところだった。私はどうやら助かったみたいだ。はっ...!?そうだ...‼︎
「アーベルさんは...⁉︎」
リヴァイ「アーベルなら無事だ。腰骨を折って動くことはできねえが、命に別状はない。」
「よかった...。それから、ありがとうございました。」
リヴァイ「チッ、無理しやがって。ある程度のことはアーベルから聞いた。お前が煙弾をうち、馬を走らせて巨人を誘導しようとしたこともな。」
「...違います...。誘導なんかじゃありません...。私は、自分がただ助かりたかっただけです。私は、あの2人が死んでいくのを見ていることしかできなかった...。」
リヴァイ「調査兵となり、壁外へ出た時点であいつらは覚悟を決めていたはずだ。それに、お前の行動のおかげでアーベルも、そして中央や後方にいたやつらも助かったんだ。だから、死んでいった者たちのためにも後悔はするな...。お前がその意思を継ぐんだ。お前はよくやった。」
リヴァイさんは、優しく私の肩を掴んでまっすぐな目でそう言った。
「うっっ...」
気がつけば、私はリヴァイさんの胸元に倒れこむようにして泣いてた。
意思を継ぐ...。
自身の行動を次の希望へ繋げるためにも、私は後悔せず前を向くことを選択した。