第11章 自由への意思
ミカエルside
ハンジ班に配属されて数ヶ月が経ち、日々の職務にも慣れはじめた頃だった。
エルヴィン「10日後に壁外調査を行う。また、今回は、医療班も伴って行うものとする。」
私たち医療班にとって初めての壁外での任務が告げられた。
本来、医療班は壁内での医療行為を主体とした職務だと知らされていたため、反発する者がほとんどだった。
医務官「こんなの聞いていない...!!俺は降りるぞ...!!」
医務官「やつらは、訓練も受けていない、立体起動装置も使えない私たちを巨人の餌にするつもりなの...?いやだぁぁぁ...!!死にたくないぃぃ...‼︎」
多くの医務官が宿舎を後にした。エルヴィンは軍の規定違反だと彼らを咎めることはしなかった。
エルヴィン「一度恐怖におののいたやつは、もう二度と恐怖に立ち向かうことはできない。それこそ巨人の餌にしかならない。」
この作戦は確かに無謀な賭けだった。だが、ミカエルは配属の班を発表される前にイリス隊長が言った言葉を思い出した。
(この医療部隊に意味を与えるのは私達一人一人の『命への奉仕』だ。それをどう認識するかはお前たち次第だが、決して勘違いをするな。武器を持たない私たちにとって知識や経験、そして認識こそが唯一の戦うための武器だ。)
エルヴィン「リン・キーン。お前はどうする?」
巨人は怖い...死ぬのは怖い...だけど...
「これは人類の自由のための戦い。ならば、壁内でも壁外でも同じことです。私は壁外調査へ行きます。自由の翼を私たちの手で出来る限り救ってみせます...‼︎」
エルヴィン「...!! ....そうか...。」
エルヴィンは遠くの空を見ながら言った。
その横顔は悲しみと希望が混じっているように見えた。