第4章 エルヴィン・スミス
エルヴィンside
彼女の唐突な質問に、思わず黙ってしまった。
確かに、ここ最近、ミカエルと夕方こうして図書館の3階の隅で話をするのが日課になっていたが、なぜなんだ。
でも、訓練や会議が終わると不思議と図書館へ足が向いた。いつのまにか、ミカエルとこうして話をするのが楽しみになっていた。
俺が答えに悩んででいると...
「やっぱりいいや。私はエルヴィンさんが来てくれるだけで嬉しいもん。」
夕焼けが光を失い初めて、夜が訪れようとしていた。
ミカエルの陰となっているものは一体なんなのだろうか。
今にも消えてしまいそうなミカエルの体が闇に包まれていった。
そして、今日も俺は問う。
あのとき、どうしてすぐ答えを言えなかったのだろうかと。