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【進撃の巨人】月明かりのあなた【リヴァイ落ち】

第15章 重なってゆく想い



リンは俺に気づいて、月を見たままそう言った。

リヴァイ「そうだな...。...俺にはただ眩しいように見えるが...なんでそんな質問をする?」

「私も以前はそう思ってました。涙がでるほど眩しくて切ないと...。だけど今は、涙も出ないんです。月はただ遠くて、私の力では届くこともないし、弱い自分を見下ろしているようだと...」

リヴァイ「...。」

「イリスさん、最後に笑ってたんです。そして、私を守って死んでいったんです...。私は、イリスさんが言うようにすごい力もないのに...!私が代わりに巨人に食べられればよかったのに...!!」

俺はリンが本気でそう言っているのが分かって、堪らなくなった。リンの肩を掴んで、言った。

リヴァイ「それは、違うぞ!!死んでいったイリスの言葉を、あいつの想いを、お前が否定するな...!お前が、あいつの意思を継いで、生きてそれを真実にする。それが、今のお前がやるべきことだろう...!!」

リンは、はっと我に返ったように俺の顔を見つめ、それから顔をぐしゃぐしゃにして泣いた。俺は彼女が泣き止むまで隣で話をした。

リヴァイ「さっきはこの月をただ眩しいだけだと言ったが...。俺は、俺の中にある月を見にいつもここに来ていた。」

「...。」

リヴァイ「だが、いざ俺が死地で恐怖心に駆られたとき、思い浮かべたのは、記憶の中の月ではなく、お前とこうして見た月だった。俺にとってお前は、どういう存在か分からないが...お前が食われそうになったときほど何かが怖いと思ったことはなかった。」

リンが驚いたようにこちらを見た。俺はリンを抱きしめてこう言った。

リヴァイ「だから...約束してくれ..!!二度と自分の命をないがしろにしたりしないと...!!」

俺は必死で、自分の体も口も、考えて動かすことなど出来なかった。リンはまた大きく泣きながら、しばらくして、

「はい。」

とだけ答えた。

月が雲に隠れて俺たちの姿を隠してくれているようだった。

しかし、運命は少しづつ壊れるように欠けはじめていた。



??「おい、どうやらこれは本当らしいぞプレミンジャー。」

??「あぁ...。ようやく月が回って来たな。ミカエル...。やっとお前をここに戻すことができそうだ。」
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