第15章 重なってゆく想い
ミカエルside
ウォールローゼを出発して、私たちはエルヴィン団長の指揮のもと長距離索敵陣形を展開した。医療班は、これまでの壁外調査の結果を踏まえて、医療に秀でているが立体起動の使えない第1期と、医療の知識はまだまだだが訓練を受け、立体起動を使える第2期とがペアになるよう編成した陣形で臨んだ。
また、巨人による危険は排除できたが、医療が必要な場合に使用する白の煙弾が新たに加えられたことにより、それぞれ陣形の中間より少し後ろの位置に医療班が位置することとなった。イリス隊長が医療班の指揮を取るため中央に、私とルーカスが右翼側と左翼側に分かれて他の医務官を先導した。
シナ「それにしても、真昼間のはずなのに暗いですね。どんどん曇ってきているようですし...。」
「うん、一雨来なければいいけど...。」
雨が降ったら視界が悪くなり、巨人の発見も、煙弾の確認も遅れてしまう。
ニファ「北東に赤い煙弾確認!煙弾を打ちます!!」
ニファが赤の煙弾をうつ。少しして、中央から陣形の進路を伝える緑の煙弾もうたれた。
ハンジ「よし、これより陣形を北西よりに進める!!」
あれから、北西に進路を変えながら馬を走らせた。悪い予感が的中したのか、辺りは黒い雲で覆われて雨が降ってきた。
ニファ「......!?北西より巨人多数接近!!索敵班は何をしているの...!?」
巨人の中には、こちらに真っ直ぐ向かってくる奇行種のようなものも混じっていた。
ハンジ「陣形が乱れているようだ...。平地での立体起動戦は明らかに不利だが...。医療班は一度離脱し、中央を目指せ!!これ以上、陣形を壊されてたまるか...!!ここで仕留めるぞ!!!」
「「「はい...!!!」」」
ー右翼索敵班ー
兵士「くそ...。だ、だれか、知らせてくれ...。右翼索敵班は全滅...。巨人が...ハンジ班、リン班がいる南西と、ネス班、イリス班がいる西へ向かったと...。」