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欲望ノ枷【R18】

第2章 幕開け




計画を進めるには金が要る。

奴隷になる一人目の被験者を用意するには、やはりそれ相応の金を積む事が必要となる。
父の遺産や会社を継いだからといって、それを丸々遣ってしまう事など出来る筈が無い。

しかしどうだ、目の前には熟れ始めた年頃の少女特有の愛らしさと艶やかさを兼ね備える妹の姿がある。
服の上からでも分かる柔らかそうな膨らみが二つ、きゅっと締まった腰に控え目だが丸く形の良い尻。
それは男なら誰もが欲情してしまう様な色気を放つ。
妹相手であるのにも関わらず、思わず舌舐めずりが出てしまう煌。


雪音「…お兄様?」

煌「え?あ、すまない。少し疲れたみたいだ…」


妹を見詰めたまま考え事をしていた煌を心配そうに見上げ、首を傾けて問う雪音。
煌が慌てて取り繕えば、更に心配そうに眉を下げる雪音。
その仕草一つ一つに隙があって何とも愛らしい、同時に女性であると主張しているかの様に煌には思えた。


雪音「そんなにお忙しいのですか?お父様がああなってしまって、お兄様までお倒れになってしまわれたら…」


そう言う雪音は泣きそうに見えた。兄の身を心から案じ、不安いっぱいの瞳を向ける。

しかし煌は違った、妹の事は誰よりも自分が手に取る様に分かる。
どうしたら雪音が喜ぶか、どうすれば雪音が悲しむか。
どう言えば、思い通りになるか…を。


煌「本当に疲れたよ。そうだ、雪音に手伝いを頼みたいんだけれど…お手伝い、してくれるかい?」

雪音「私に出来る事?お兄様のお役に立てるなら、お手伝いさせて下さい!」


雪音は嬉しかった。父が死に、自分の知らぬ所で全てが決まっていく。
そして、それは決定事項なのだと、自らの意見など聞いて貰う事すら叶わない。
しかし、優しくてたった一人の家族から頼られたのだ。雪音はそれが何より嬉しかった。


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