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星条旗のショアライン

第13章 ソー&スティーブ(MCU/EG if)



(4)

結果的に作戦部隊を三つに分けることで理論上は全てのストーンを回収出来ることが判明した。モラグとヴォーミアにローディとネヴュラとクリントとナターシャが。ニューヨークにロジャースとトニーとハルクとスコットが。そしてアスガルドにロケットとソーと俺が出向く事になった。俺が確保すべきはリアリティ・ストーン。ソーの証言によればジェーンという女性の体内に液体のような形で取り込まれているそうなので、それを拝借しようという作戦だ。
ロケットが特殊な注射器を弄んでいるのを傍らにしゃがみこんで眺めていると視界にひとつの影が落ちた。すっかりソーだと思って見上げたが、光を背中に背負って立つ人間のシルエットはソーより圧倒的に細い。腰の位置は高くて脚は長く、綺麗な逆三角形で頭髪は靡いていない。
(……ああ、一体なんなんだ)
『幻滅する』というのはコイツの為にある。ソコヴィア協定に反対してただひたすら『自由』を追い求めたコイツの«error»«error»。コイツが長年抱いていたのは人類の保存でも平和でもなく、自由だった……それに気付かされた時の衝撃と来たらない。トニーと言い合いになった最中の言葉はなにひとつ忘れてはいない。

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