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星条旗のショアライン

第24章 SSS キャラ×男主(―/30日更新)



★Aキャプテン・アメリカ

「なにしてる!」
「っ!」
前腕にワンプッシュ式の穿刺器を打とうとした瞬間、キャプテンが手首を掴んで止めてきた。まさか危険な薬をしてるって勘違いされたのだろうか。中身は疲労回復を早める為のビタミンBの栄養剤なんだけど。説明したいのに掴みあげる掌は力が増すばかり。痛くて思わず穿刺器を取り落とすと、そのタイミングで抱き締められた。
「んむ」
「早まるなっ、君を失いたくないっ」
「きゃぷ――」
「……君を愛してるんだ。悩みは共有する、共に解決策を考える。……だから命を削る真似はよせっ」
栄養剤のせいでキャプテンから特大級の爆弾を手渡されてしまい、彼に相談できない悩みを抱えることになってしまったのはまた別の話だ。

★KOランサム・ドライズデール

嘘をつくと吐く体質の姉さんは度々体調を崩す。そんな姉さんに代わってスロンビーさんのお世話をする時があった。もちろん注射などの医学的な事は無理だからお風呂に入れて差し上げたりお食事を運んで差しあげたり、家政婦のフランさんの負担を減らして姉さんの株が下がらない程度の事だ。
仕事が終わって帰り支度をしている内に別の訪問看護師が入れ違いにやってきて投薬剤を準備する。俺はスロンビーさんの体調を記録したノートを訪看師へ渡してしまえば、ようやく帰宅する事ができた。
なのに今日はドライズデールさんの息子さんに捕まってしまった。皮肉屋で傲慢で口が悪い男だ。姉さんと比べるような事を言って煽って来るのだが、これがなかなか俺には堪えた。
「まだ居たのかよ。お前の姉ならもっと早く仕事を済ませる」
「申し訳ありません」
「謝る暇があるなら何故ノロいのかをよく考えるんだな」
「は、はい」
壁に押し付けられて迫られながら、涙が溢れそうになるのを必死にこらえる惨めさときたらない。鞄を抱き締めてドライズデールさんのストールの柄を無心で見詰めていれば、視界の端に見える形の綺麗な唇が歪な弧を描いた。

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