第4章 おやすみのお時間です
ほんとなら今すぐにでも逃げ出したいのだけれど、ハイセが乗っかってるから不可能だし。
両手で思い切り押し退けたいのだけれど、そんなことしたら起き上がった瞬間、重力でワンピースも下着も下がってしまう。
さすがにそれはそれで、まずい状況でもある。
「…………さすがに、少し怒っていいですか」
「は?怒るのはあたしの方………きゃぁっ」
不機嫌に睨み付けるハイセに、抗議しようとするも。
簡単に両手は頭の上で縫い止められ。
起き上がれない。
そればかりか、隠すものがなくなった胸元がスースーする。
「ハイセっ」
片手であたしの両手を拘束しながらも、もう片方の人差し指は、胸元でゆるゆるになったワンピースの布にかけられる。
少しでも力を入れたら簡単に、まだ誰にも見せたことない決して大きくはないふたつの膨らみが、空気に触れる。
「ハイセっ、手、離してっ」
体をねじって抵抗してもハイセは全然びくともしなくて。
一瞬だけ。
ほんとに一瞬だけ感じたのは、恐怖と焦り、だ。
「ハイセっ」