第4章 おやすみのお時間です
なんか今、とんでもなく怖いこと言われたような気がする。
見も毛もよだつ、的な?
背筋が凍る、的な?
あれ。
今ってホラーの時間だっけ。
「お嬢様」
頭の中に幽霊でも住まわせたような妄想を抱いている間にも。
ハイセはきちんとあたしのワンピースを脱がせにかかっていた。
いや、すでにワンピースはもう脱がされたも同然なんだけど。
何故か背中に回されたハイセの手が、パチン、と器用にもあたしの下着までもゆるゆるにしたのだ。
「ハイセ……っ」
抗議するために向いた正面。
タイミングを計ったように、ハイセの唇に全て飲み込まれた。
また………っ。
ハイセのキスは、思考回路を奪う。
何にも考えらんなくなる、から。
自由な両手で、思い切りハイセの髪の毛を引っ張った。
あたしにできる、精一杯の抵抗だ。
「っった、お嬢様!わかりました、わかったから!」
思い切り引っ張った髪の毛は、いくつかあたしの手の中。
さすがに降参したハイセは、すぐにあたしから体を離した。
ついでに。
体ごと離れたタイミングで、下着ごと胸を隠す。
力で敵わなくたって抵抗はできるんだから。