第4章 おやすみのお時間です
軽くなった途端に、体を思い切り右へと向け丸くなる。
熱くて、涙がじんわりと目尻を濡らしていくし。
心臓の動きはさらに激しくなっていく。
だいたい。
あんな至近距離で見下ろされたら誰だって。
恥ずかしいに決まってるじゃない。
ハイセ、顔だけはとんでもなく整ってるんだから。
あれで迫られたらきっと誰だって。
「お嬢様」
丸くなって右を向くあたしの左肩をやんわりと何がが押した、瞬間。
「んぅ……?」
正面を向いたあたしの唇から、先ほどのカモミールティーが流し込まれた。
「え?」
ゴクン、と。
喉を鳴らしてそれを飲み込めば。
目の前ではハイセが満足そうにこちらを見下ろしていた。
「美味しかったですか?」
「……ええ」
「なら、良かったです」