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さぁ、お勉強のお時間です

第4章 おやすみのお時間です


「お嬢様」

「…………」


いつもと違う、色気を含んだ声色に。
顔を反らしたままに唇を噛み締めた。



「好きです」



「…………っ」



「ずっと、お慕いしておりました」





「……………っ」





熱い。
熱くて、勝手に目頭が熱くなってくる。
身体中の血液、全部気化してなくなってしまったのかと思うくらいに、喉が渇く。




「お嬢様」



なんでだろう。
心地よく、ハイセのテノールは頭に浸透していくみたい。


「こちらを、向いていただけませんか」
「……嫌」
「お嬢様」
「嫌!」


見れるわけ、ないじゃない。




心臓がうるさいの。
身体が熱い。
唇も口の中も、カサカサに乾燥しちゃってる。


こんなの。
ハイセに見られたくないもの。


「お嬢様」
「嫌だったら!」


一際強くそう、いい放つと。

はーっ、と。
諦めたように長くため息を吐き出して、ハイセはあたしの上からいなくなった。
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