第4章 おやすみのお時間です
「お顔、真っ赤ですよ」
ふ、と。
手の甲で右の頬へと触れるハイセに、勝手に沸点をあげていくのは間違いなくあたしの血液だ。
「は、ハイセ、が、いつもと違う、から」
そう。
買い物から帰宅してもなお、ハイセは私服のまま。
いつもと違うハイセに、脳がきっとご作動を起こしているに違いない。
「今日はお休みを頂いておりますゆえ」
「え?」
「はい、本日はプライベート、でございますので」
「え?」
ぷ、ぷらい、べーと?
ええと、どういうことかしら?
「だから言ったでしょう、デート致しましょう、と」
で、でも。
確かにハイセ、今日は初めてみる私服だったし。
『デート』とは言われたかもしれないけど。
でもでも。
ランチ代だって、今日買った洋服やメイクも、クリームだって!
全部全部、カードで。
「ハイセ」
「はい」
「支払いは、当然パパのカードよね?」
「先ほども申し上げましたが、お休みを頂いておりますゆえ、休日に旦那さまのカードは持ち出せません」
「え?」