第3章 僕とデートして下さい
違う。
食べたかった。
食べたかったけど、違うわ。
認めたくなんかないけど。
今日のハイセ、いつもと違う、し。
すごくなんだか、色っぽくて。
両手縫い止められた挙げ句こんな至近距離でハイセが、いて。
胸のリボンなんか完全にほどけていて、あまり大きくもない谷間が見えちゃってるし。
羞恥心でおかしくなりそう。
勝手に体温が急上昇したせいで、なぜだか目頭まで熱くなってくるし。
わけ、わかんない。
「………っ、これ邪魔」
一瞬感じたハイセの苦しそうな息づかい。
だけどそれはほんの一瞬で。
軽く頭を左右にふると。
ハイセは眼鏡を、外した。
カシャン、て。
床に落ちた眼鏡が1度小さく跳ねるのを目で追っていると。
「………んぅ…っ、んんんっ」
両手は壁に縫い止められたままに。
激しく唇が重なった。