第3章 僕とデートして下さい
「嬉しそうに男性と密着したりしてはいけません」
やっと解放された口内は、今はイチゴを噛み砕くので忙しい。
ゴクン、と、甘いイチゴが喉元を通る頃には。
またハイセの舌は首から下へと、下がっていく。
「やめ……っ、あれ、も、ハイセが踊れないなんて、ゆ、から……ぁっ」
「よくお似合いですよ、このワンピースも」
淡い空色のワンピース。
クローゼットに新しく追加されていたもの。
お腹のあたりから、編み込まれた大きなリボンは、胸元できちんと結ばれていて。
膝まであるフレアのAラインのワンピースだ。
「僕が選んだと知っても、着てくれたんですね」
ゆっくりと胸元のリボンがほどかれると、少しだけ開放的になっていく、胸の谷間。
「だって、クローゼットにあるのしかないんだもん」
「………」
クレープは離さずに、両腕で胸元を隠しながらにらみあげる。
「…………他のメイドに買いに行かせるとか、いろいろあるでしょう」
「え?……あ!」