第3章 僕とデートして下さい
「な、………っ、え?」
右手に握らされた柔らかいクレープに意識を集中したいのに。
ハイセの言動はそれを許してくれない。
「……っ、勉強、………って?」
ちゅ、ちゅ、って。
丁寧に効果音までつけてくれちゃって。
彼は首筋を丁寧に舐めあげた。
「お嬢様は殿方に対し、もう少し警戒心を強く持つべきです」
「………え?……っ、ひゃぁっ」
ハイセの言葉を理解しようとしても。
ハイセの唇は、あたしの思考を尽く奪い尽くす。
急に、首筋に走った、吸い付くような痺れる痛みに、思わずクレープを握る手に力が入る。
「夜、簡単に男性を部屋にいれてはなりません」
「あ、あんたが勝手に入ってきたんで……っ」
押し潰されて飛び出たクリーム付きのイチゴを、ハイセは少しだけ屈んで唇で挟み込むと。
それをあたしの口の中へと押し込みながら、さらに舌を激しく絡めてくる。
「………んんんっ」
イチゴのせいで逃げ道の失った舌は、簡単にハイセの舌に捕まってしまうのだ。
ほんと、こんなことまで感心するくらいに完璧。