第3章 僕とデートして下さい
とはいっても。
いくら並んでもなかなか前になんか進まないし。
いい匂いばっかりでお預けをくらってる気分だわ。
「何にいたしましょうか」
「そうね」
遠くに見えるメニューに目をやると。
一際豪華なひとつに目が止まった。
「あれがいいわ。あのミックス!たくさん入ってるやつ!」
うん。
ボリュームもあって美味しそう。
「お嬢様」
「何よ」
「何事も詰め込めばいいと言うものではありませんよ」
「………そうなの?」
結局。
一番売れていると言うチョコバナナ。
ハイセはイチゴたっぷりのクレープを注文した。
「あれ、これ」
前、ハイセがデザートで出してくれたやつ?
あの時はお皿に乗っていたし、ナイフとフォークで食べたけど。
みんなそのまま食べてるし、いいのかしら。
パクっと一口含んだそれは。
「美味しい」
すっごく、美味しかった。