第3章 僕とデートして下さい
「あれ、ハイセ食べないの?」
「甘いものは苦手ですので」
「なんで頼んだのよ」
「どうぞ?」
「え」
「悩んでおられたでしょう?こちらと」
「………あたしに?」
「ええ、2つは食べすぎですか」
「食べるよ!」
「そうですか、では、どうぞ?」
ひとつ、400円。
ハイセがパパから預かってるのは、カードのみ。
つまり現金で購入したこれは、ハイセのポケットマネー。
「………ありがと」
「ええ」
たった800円。
だけど。
ハイセがあたしに支えているのは『仕事』。
ただの仕事なのに。
わざわざ買ってくれたクレープがすごく、なんだかよくわからないけど。
嬉しかった。