• テキストサイズ

さぁ、お勉強のお時間です

第3章 僕とデートして下さい


「ですから、今度の日曜日、ご自分でお選びになられて下さい」
「何を?」
「何でも」
「?」
「お召し物でも、化粧品でもスキンケア用品でも」
「お店、詳しくないもの」
「はい、だから、僕とデートなのです」

「………」

確かに。
学校では放課後、けっこうみんな『買い物』言ってるわ。
くれーぷなるものを食べたり、ぷりくらなるもので遊んでるわ。
あたしはいつも送迎があるから行けないのだけれど。

実はそれ。
憧れだったりもするのよ。


「………いいわ」

ハイセで、予行練習でもしようじゃないの。


「はい、お嬢様。では宿題、頑張って下さいませ」

「ハイセ」


背筋のピンと延びた、大きなハイセの姿勢のいい背中へと問いかける。

「パパには、この前のテスト、話してないわね?」
「もちろんにございます」
「ママにも?」

「ご安心下さいませ」


その完璧なまでの笑顔が、一番信用できないんじゃないっ。


笑顔で『お嬢様』を脅迫する執事の、何を安心したらいいのよ。


「…………」


不安しか、ないわ。
/ 140ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp