第3章 僕とデートして下さい
「今度の日曜日、買い物を致しましょう」
「買い物?」
「ええ、お嬢様。年間お嬢様のエステ代は優に250万を越えております。こちらは新入社員の1年目の総支給額とあまり変わりません。」
「………そうなの?」
「左様にございます。ちなみに服1着おいくらなのか存じ上げないのは、女子高生としては致命的に女子力が低いと言えるでしょう」
「………そ、そうなの?」
女子力。
まさか10歳も年上の執事から女子力なんて言葉が出るとは思わなかったわ。
「お嬢様の女子力は、そこら辺の社会人にももちろん負けていませんが」
「どっちなのよ」
「ハイセありきの、女子力なのでございます」
「ん?」
「つまり、僕がお召し物を選び、果てはお嬢様のスキンケアに及ぶまで、全て管理しているのです」
「……それはちょっと、嫌かも」
いえ、すごく嫌。