第2章 ダンスのお時間です
「お嬢様、カモミールティーでございます」
1週間ぶりのハイセのカモミールティーは、驚くくらいに美味しくて。
疲れきった体はすぐにでも眠りについていった。
そんなわけで。
10年間とゆー月日はあたしの体をハイセなしではいられないくらいに洗脳していたのよ。
悔しいけど。
いくら変態セクハラ執事でも。
いくらロリコン変態執事でも。
あたしには残念ながらハイセしかいないのだ。
「そんなに上目遣いで見つめられたら、今すぐ襲いかかってしまいそうです」
「………睨んでるのよ」
「写真撮っていいですか」
「………」
いや。
絶対そんなはずない。
ハイセなしじゃいられないなんて、そんなのあるわけないわ。
「お嬢様」
「………何よ」
「ダンスホールはこちらになります」
「……………」
にっこりと笑顔でホールの扉を開けるハイセに、思い切りじと、とねばつく視線で睨んでやれば。
「そのかわいらしい視線、先生にはなさらないで下さいね」
と、さらに飄々と頭を下げた。
「こちらでお待ちしております」