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【名探偵コナン】 ある意味、それは。現実逃避。

第7章 ジン






次の日。

透さんは仕事へ向かい、私は透さんの部屋でゴロゴロと過ごしていた。


この部屋に居られるのも、明日まで。
明後日からは沖矢さんの住む工藤邸にお世話になるつもりだ。


昨日の夜それを話すと、透さんは嫌な顔をしていた。


透さんと私の関係はなんだかよく分からないままで。

もしかしたら立場上、付き合ったりとかはできないのかもしれない。


…私が、「私も好きです」と言ったら、付き合うことになるのかな。


『好き…』


本当は、もう。
それは昨日、あんな風に流されてしまった理由でもあって。


(罠にハマってしまった…)


透さんの気持ちを疑うわけじゃないけど。
…いや、疑ってるのか。


『……零…』


ぽつりと呟いて。
慌てて周りを見渡した。


誰も居ないはずの部屋には、やっぱり誰もいなくて。


でも昨日だって、まさか横にいると思わなかったから。


熱のこもった瞳を思い出して、顔が熱くなる。

あの人のあれが演技だとしたら、騙されない人なんているんだろうか?


信じられないのは、
彼は彼の信念のためなら、他を犠牲にできることを知っているから。


今日は夕方までポアロだと言っていた。

夕方…ポアロまで行ってみようかな。


そんなことを考えていると、
いつの間にかうとうとと眠ってしまっていた。






夢の中で。

私はテレビを見ていた。



テーブルにはコップが置いてあって



テレビに映し出されるニュースを、ぼんやりと眺めている。



ただ、ぼんやりと。



だけど急にぞわぞわと恐怖を感じてきて。



それが何なのかわからず

得体の知れない何かに怯えたまま



だけどひたすら画面から目が離せなくて。



瞬きをしたとき









はっと目が覚めた。

耳元で鳴るスマホのバイブ音。


〈結城 陸〉


表示されている名前を確認して、私は通話ボタンを押した。





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