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【名探偵コナン】 ある意味、それは。現実逃避。

第6章 弱さ *裏






マンションから持ってきた荷物は、
沖矢さんが準備してくれた「解決祝い」と共に私の新しい部屋に置かれた。

この部屋を使わせてもらうことはコナンくんにも彼のご両親にも許可を得ているという。

とはいえ

住む前にコナンくんに直接話したかったのと、
安室さんにも話をしなければならないので、

私は数日だけ安室さんの部屋でお世話になることにした。


数日お世話になることも、沖矢さんはいい顔をしなかったけれど。





沖「夕食まで食べて行かれませんか?」

再び工藤邸のリビングに落ち着き、沖矢さんがまたコーヒーを淹れてくれた。

『あ、なら一緒に…っ』

作りませんか?と言おうとしたとき。
私のスマホが着信を告げた。

見るとそこには〈安室 透〉の文字。


『安室さん…
すみません、出てもいいですか?』


沖矢さんから無言で、どうぞ、とジェスチャーを返される。

ぺこりと頭を下げると、通話ボタンを押した。


『…もしもし?』

安《咲さん?今どこにいますか?》

『あ、外に出てます。どうかしましたか?』

安《今日はもう帰れそうなので。
よかったら、迎えに行きますよ。》

『迎え…えっと…』


この場所に居ることを伝えても大丈夫だろうか?

迷って沖矢さんを見ると、ただ笑顔を返される。


『…ポアロまで、いきます。』

安《わかりました。》


とりあえず無難な場所を伝えると、安室さんと時間を確認し合って電話を切る。


沖「残念ですが、夕食はまた今度ですね。」

『すみません…』


申し訳ない気持ちになったけど、早く安室さんに会えるのは嬉しい。

いただいた「解決祝い」のお礼もしなければ。
そんなことを考えていると、向かい側に座る沖矢さんの視線に気付いた。


沖「お帰りになる前に、ひとつ。」

『はい?』

沖「咲さん。貴方は弱い。」


急にはっきりとした口調で言われて、少し傷付く。
だけどこれまでのことを考えるとそれは事実で。


『ごめん、なさい…』

沖「…怒ってはいませんよ。弱っている、とも言えます。」


だから。と言葉を続ける沖矢さんは、強くて。


沖「困ったら必ず連絡してください。」


そう言う彼は、「できれば安室くんより先にしていただきたいのですがね」と笑った。



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