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【名探偵コナン】 ある意味、それは。現実逃避。

第4章 ストーカー






安室さんの住むマンションの駐車場に着くと、またお姫様抱っこで部屋まで連れて行かれる。


『あっ、安室さん!もう大丈、』

安「言うことをきいてください、と言った筈です。」


言葉を遮られて、何も言えなくなる。

そのまま部屋に入りソファーに下ろされると、頭を軽く撫でられた。


…気持ちいい。


安『…ちょっと待っていてくださいね。」

あやすように言ってキッチンに向かう安室さんを見送ると、私は部屋をぐるりと見渡した。


(落ち着く…)


まだ来たのは2回目だけど。
彼の匂いがする。

一人になったとき、嫌でも思い出すのは先ほどの事で。

だけど安心感の方が強くて、
ソファーの上で膝を抱えて座り
自分の体をぎゅっと抱きしめた。


大丈夫。

ここには怖いものはない…


怖い、もの…


チラリとキッチンにいる安室さんを見る。


このままどんどん彼に惹かれて
もう離れられなくなっても

安室さんの気持ちが、
降谷さんの本心ではなかったとしたら。


私はどんなに傷付くだろう

そのとき、どうやって立ち直ればいいんだろう


ただそれが、怖いと思った。
そう思うほどに安室さんに惹かれていた。


安「…大丈夫ですよ。」


膝に顔を伏せていた私に、優しい声が届いた。


安「ここは安全です。」


顔を上げると、そこには困ったような顔をした安室さん。
目の前には温かいコーヒーが置かれていた。


安「咲さんにしたかったお話は、また今度にします。
…代わりに、というわけではありませんが、
提案があります。」

『提案…?』

本当は話も気になるけど。

安「はい。
暫く、この部屋で一緒に住みませんか?」


『だ、だれと…っ?』


分かりきったことを聞いてしまったのは、あまりにも驚いたから。

私の反応を見て、安室さんが微笑んだ。


安「僕と。です。」



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