• テキストサイズ

【名探偵コナン】 ある意味、それは。現実逃避。

第1章 日常からの、非日常





『・・・・あれ・・?』


雨が降っている。

私はちゃんと傘を持っていて、
それは割と強い雨から私を守ってくれていた。


『・・え、まって、あれ?』


(ここどこ・・・?)



あたりを見渡しても、見たことのない景色が広がる。



『まってまって・・・、何して・・・・・・え?テレビ見てなかったっけ・・・・?』



そう。
私はさっきまでテレビを見ていたはず。


仕事が終わって、家に帰って
シャワーを浴びて、、

それがどうしてか、
こんな酷い雨の中、傘をさして公園に立ちすくんでいる。


何が起こったかわからない。


『い・・家、・・・・』


きょろきょろとあたりを見渡すけれど、何度見ても見覚えのあるものなんて何一つない。


寝ちゃったのかな・・・?
これは夢?


「あれ?咲?」


『え』


「なにしてんだよ。
あ、ちょうどよかった!この前貸したDVD、返してもらってもいい?」


『え』


「?
まだ見てない?」


『え?・・っあ!あ、うん、あー・・・』


おまえはだれだ。



立ちすくむ私に急に話しかけてきたのは、見たことも会ったこともない男の人。

きっと私と同い年くらい。

なかなか爽やかな彼は、私をよく知っているようだった。



「お前・・大丈夫か?」



おどおどする私を不審な目で見る彼。


(夢だよね・・?どうしようもないし・・・・)


『あの・・・・』














「記憶喪失?」


どうにでもなれ。


そう思って、私はこの意味不明な状況を彼に説明した。

というか、助けを求めた。


「まじか・・・・?」


『まじです・・・・』


はじめこそ信じてくれなかったが、私の様子を見て考え込む。


彼は「とりあえず、」と、いくつかの事を教えてくれた。



・私の名前は桜咲。
これは夢であっても変わらないみたい。

・彼の名前は結城 陸(ユウキ リク)。
私とは会社の同期で、なかなか仲がいいらしい。

・仕事は保険会社の事務。
これも現実と同じ。ちなみに彼は営業。
たぶん私の夢だから、私の想像を超えたことができないのだろう。
(どうせならもっとエリートな夢を見たかった)



「家、連れてってやるよ。」


陸は複雑な顔で私にそう告げた。



/ 85ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp