第2章 工藤邸へ
次の日。
私はお昼頃目が覚めた。
ずいぶん疲れていたようで、途中一度も眼を覚ますことはなかった。
『…まだ、夢の中……』
起きたら窓から外を眺める。
そして免許証を確認する。
もう癖になってしまったこの作業で、今日もまた夢から覚めていないことを思い知らされる。
『コナンくん…公園で待ってるかなぁ。』
明日もここで、と言われたけれど
よく考えたら時間などは一切話してない。
シャワーを浴び、軽く化粧をすると、私は時間をつぶせるように小説を手に取り、公園へと向かった。
(それにしても安室さん…かっこよかったな。)
公園で遊ぶ子どもたちの中に、コナンくんの姿はない。
ちょうど影になっているベンチに腰を下ろし、持ってきた小説を開いた。
だけど文字を読むことは無く、ぼんやりと昨日の出来事を思い返す。
アニメで見たとき、なんでも出来る安室さんを…そして頭の切れる降谷さんを、なんとなくかっこいいなぁと思ってはいた。
またポアロにも呼んでもらえたし、次こそはハムサンドをいただこうと思ったところで
今日はまだ朝ごはんを食べていないことに気が付く。
『昨日の今日で行くのは、ちょっと早すぎかな』
少し疑われている感じもあるけど、やましいことはないし。
と、持ち前の楽観的な考えで。
『来週末にでも…』
コ「どこか行くの?」
『わ!?』
ぶつぶつと考えていると、コナンくんがいつの間にか目の前に立っていた。