第5章 嘘つき
「気を付けるわ」
一花は笑ってみせた
「さっさと帰るぞ」
中也は背を向けて歩き出す
帰りのバイク
一花は涙が零れないようにずっと空を見上げていた
中也は行き道よりも少し離れた二人の距離に苦しさを感じていた
遠慮がちに回されたこの一花の手を取り、抱き締めてしまいたい衝動と戦っていた
~俺はお前を苦しめたり、泣かしたりしたい訳じゃねェ どうか、、どうか心から笑っててくれ 例え俺以外の男の元だろうと 幸せを感じていてくれ 本当に好きになれるヤツに幸せにされてくれ お前には陽のヒカリがよく似合うんだ それを邪魔するヤツが居るなら俺は悪魔にでも魂売ってやるッ~
~中也私は最低な女だよ 貴方に大切にされる資格なんてないの 愛される資格もない だからどうか、、どうか貴方が幸せでありますように その瞳が濁る事がありませんように 貴方にホンモノの大切な人が出来ますように 貴方を苦しめて、貴方の幸せに私が邪魔になるならいっそのことコロシテ、、、~