第4章 覚悟を決めて伸ばした手は
覚悟を決めよう。
伸ばした手の先に、掴めるものが何もなかったとしても。何もしない、逃げてしまう自分とはもうさよならしよう。 長船さんに、返事をしなければと意を決してメッセージを打ち込んだ。
“だめじゃないです、いいですよ“
”良かった、ありがとう!詳しいことはまた近くなってから決めよう”
”りょーかいです”
最後に最近お気に入りの柴犬のスタンプを送ってメッセージを終えた。
もう後戻りは出来ないけれど、さっきまで悶々としていた気持ちはすっかり晴れていたからもうウジウジと考えるのはやめようと思った。
この後、私は先輩の話を聞くべく仕事上がりに久しぶりにご飯を食べに行ったのだが...結局最後は私を励ます会になってしまい、非常に有難くも恥ずかしい事になってしまった。