第4章 ■遣らずの雨(佐助/微裏/現代)■
「ひゃ、あっ……ん……!!」
じっくりと形を確かめるかのように、男性特有の少し骨ばった大きな掌が私の胸を揉みしだいていく。
そのせいでタオルが胸の頂きに何度も擦れてしまい、ゾクゾクと甘い電撃のような刺激が私の身体中を駆け巡った。
「はぁ……っ、ちゃんの胸、布越しでも分かるくらいもっちりとしていて柔らかいし、形も綺麗なんてもう最っ高……!!それに感度も良いとか、どれだけ俺様を喜ばせれば気が済むわけ?」
ストーカーの掌によって厭らしく形を変えていく自身の胸と、耳元に掛かる熱い吐息。
……私自身はこんなにも、不快で不快でどうしようもないほど嫌なのに………身体が、じくじくと熱を持って疼き始めていくのを感じてしまう。
「あはー、気持ちよさそうな顔。……乳首もハッキリと場所が分かるくらい厭らしく立っちゃってるし、ちゃんも案外満更じゃないでしょ?これじゃあ罰じゃなくてご褒美になっちゃうかもね」
「いやぁっ……ゃ、らめ、んんっ……」
集中的に胸の頂きを捏ねくり回されれば、自分が発した声とは思えないほど厭らしい声が出てしまった。
それでもどうにか必死に「嫌だ」「やめて」とストーカーに伝えたのだが……男の耳には悲痛なる私の叫びが届く様子は全くない。
それどころか胸だけに飽き足らず、今度はねっとりと愛撫するかのようにストーカーの舌が右耳全体を犯し出した。
「ひゃんっ!?…やだ……やっ……ゃ、あああっ…!!」
「ん、っは……耳弱いの?……あー、もう、かっわいー……!!」
じゅぷ、じゅぷりと耳の中に舌を入れられ、時折息を吹きかけられて。
その間も胸は弄ばれ続けるせいか、私の頭はどうしようもない快楽の波におかしくなってしまいそうになった。
…………このままじゃ、私…………
「ねえ、ちゃん」
不意に名前を呼ばれ、同時に男の行為全てが止まった。
「な、ん……っ、ですか……?」
荒くなった息を整えながら、私はゆっくりとストーカーの言葉を待つ。
「佐助」
「……さ、す……け……?」
「…………ん。そう、佐助。……俺様の名前を呼んでくれたら、今日はもう帰してあげる」
そう言ってストーカーは、まるで壊れ物を扱うように優しく、そっと私を抱きしめた。